私の目に見えるもの

愛煙家のブログ

2021-01-01から1年間の記事一覧

葉音が響く深夜の道

夜中にバイクを走らせるのは、どうしてこんなにも心が空くのだろう 広い道を独り占めしているからなのだろうか 木々の匂いが充満している今の時期だから心地好いのだろうか 私はやはりこの辺りを深夜に走るのが好きだ 人気がほとんどないからなのかもしれな…

claudia emanuel santoso

how did i say goodbye? という言葉がずっとグルグルと巡っている。 耐えきれないことを人はどうしてなのか忘れることがある。 けれども、体と精神はその痛みを覚えていて、忘れたことにして生きている自分を逃がしてはくれない。 あの痛みを忘れるなんて許…

明日も仕事

あの街にいると腕や足の傷痕を見ることが多い。 誰もが知らない振りをしている 傷痕があっても誰も何も言わない 気付いていても何も きっと 誰もが心に似たような傷を持っているから 何も言えないのだろう 生きることが辛くて 呼吸をすることさえ耐え切れな…

不可逆

占いをやっていると避けようのないことばかりで人生が成り立っていることがよくわかる。 起きた出来事の解釈は如何様にでもできる。 似非カウンセラーが好きそうな解釈の手前勝手な改変をしたところで、痛みは痛み、苦しみは苦しみでしかない。 避けようのな…

夏の禍

言わぬが華、知らぬが仏 それがどれほど優しく素晴らしいことなのか、私は最近身に染みて思う 病は口から入り、災いは口から出づる 言葉の使い方、言葉の持つ負を含めた力 それを学んでいるのだと思うと、本当にこれまで避けてきたものと直面しているように…

泉と神殿

辛い最中、時折訪れていた場所へ最近なぜか足が向いてしまう。 穏やかで、橙の優しい灯りが広い道を照らしている。 歩く人たちは穏やかな雰囲気で、街路樹は敢えて座れるような作りの石の枠に囲われ、腰掛けて話す人たちを静かに見下ろしていた。 緩い風が吹…

死児之齢

夢幻泡影とはよく言ったもので人生は幻、泡沫。 でも そんな幻想すら満足に生きられないなら あまりにも残酷ではないのか 私は幻想すら満たせないのか 私は己の愚かさをどこまで呪えば良いのか 身体を持つが故の罪、思考が巡るからこその禍 本来、人間はもっ…

睥睨

淡い色 囁く声 遠くの灯り そういうものがずっと好きで、何故なのか心が引かれる 淡いものこそが人生で、画面の中の出来事はあまりにも色味が濃すぎる ドラマを求めるのは日々が退屈だから 私は内心でドラマを求める人たちを白眼視している 自分の生活を見渡…

祈り

努力しなければならないと自分を急き立ててきたけれど。 それは単なる自傷行為だと知った時、私は一度死んだのだと思う。 血反吐を吐いて手に入れたものの数々が、成績や技術や知識の全てが私の肉片だった。 私はそうした虚飾のために肉を削ぎ骨を砕いた結果…

傲岸不遜

今日、鏡を見たら手に入れた目がいつもと異なる雰囲気に感じられた いつも私が見ている目はこれ しかし、手を下げて見ると 傲岸不遜に世界を見下ろしている目になる 私の方から見ればただ眠そうにぼんやりと、無表情にしか映らないこの目は、他人から見ると…

あした、僕は

あした、僕はどこへ行こうか あした、僕はどこかへ行きたい たとえ、僕が帰ってこなくとも あした、僕はどこかへ行きたい

タテタカコ

宝石は何度聞いても良い 初めて聴いたのは柳楽優弥が主演をしていた映画だった 宝石、という曲 心に突き刺さったのは声だったのか 私が大好きで仕方がないピアノの音色だったのか 呼吸のように空気へ滲んでいくような、儚いけれど確かにあるもの それを感じ…

祝福と呪縛

皮肉ではなく本当に早く死んだ方が良い人がいる 私もそのうちの一人で、占いでは明確にそのような結果が出る 運気と素質に恵まれている人もいる 祝福されているとしか言えない人が その反対には呪われているとしか言えない人がいる しかし、本人の生きようと…

百鬼夜行

場末には化け物が山のようにいる 悪い意味ではなく、良い意味で こんな才能や能力に恵まれた怪物達が 当たり前な顔をして 当たり前なように 当たり前に働いている 夜の街だから醜聞ばかりが耳に届くけれど そんな中でなぜ清廉潔白で生き抜き なぜそこに存在…

社会契約論

グラスが床へと落ちて砕けた それは真実なのだろうか? 鉱物から硝子の素材を取り出し、熱を加えて成形し、色を付けありとあらゆる不自然な工程を重ねたグラス 本来ならば存在しないグラス 砕けたものは何なのか? 高さが増し、落ちたのが人なら? 自然に還…

疲れた日には

具合が悪い日に外へ出ても良いことは何もない あれやこれやと思い返しては 嘆息しか出ないのだから

しかも、元の水に非ず

人間が何かを失うなんて不可能 何も所有することのできない人間如きが、何を失うというのか おこがましいにも程がある 付き合った相手、結婚した相手、苦心して手にした技術、知識、金や物 その全てが偶さか私の目の前にあって、少しスパンを伸ばしてみれば…

暗くて 澱んでいて 救いようもない そんな文章が読みたい どこを探してもないから 自分で書くしかないけれど 本当は人の心にある陰影が見たい 一人で苦しむのが私だけではないと そう思うために そうやって心を虚しく慰めるために ただひねくれているだけで…

科挙

この前、占いの鑑定をしている時に何も考えず口から出た言葉が今もささくれのように気になっている 「所詮、この世の出来事だから、何もかもが」 こういう言葉が出てくる相手の場合、大体一度は自殺未遂をしている その人はとても健康そうでよく笑い、カラオ…

本願

この時間帯は聞きたい曲がたくさんあって。 今日は天野月子の「月」。 鬼束ちひろが地下にいるとしたら同じ建物の2階にいる雰囲気の人。 まだ生々しく脈打つ傷が血を流す痛みに耐えているのが天野月子。 鬼束ちひろは断末魔を歌にできる天才。 怖いことは続…

書きかけの手紙

鬼束ちひろの「書きかけの手紙」を毎晩聴いている 「残りゆく痕にならないようにと」 その言葉がなぜか心に沁みてしまって、何度も聴いてしまう 残りゆく痕にならないようにと 良い言葉だ 悲しい言葉だ どういうものが残りゆく痕になるのか知らなければ、こ…

私が

私は私が「私である」というだけで死にたくなるし、それだけが死に値する理由だ

深爪

目が増えてから鑑定力が上がった。 知りたくないことまでわかる。 虐待児のケアがあまりにも辛すぎて、あの業界から離れたのに。 私はまた人の心の襞に入り込むような真似をしている。 幼稚園児の頃から人の心が何か知りたかった。 今でもその熱意が変わるこ…

精神の窓

左手の甲に目のタトゥーが入った。 東洋の呪術のセオリーにしたがって入れたもので、意味合いはかなり呪術的。 人の心に触れるような仕事ばかりしているから、私にはこうしたものがどうしても自衛のために必要だった。 これまでは『まだ平気』と自分に言い聞…

目が増える

来月のどこかで手の平に目のタトゥーを入れることにした。 何故なのか私は昔から目に対して異様な執着がある。 私の目の色が明るいことがどうしても気に入らないのもきっとそのせいなのだ。 昔から私には目が足りないように感じて、本当にやるせない思いをし…

オルテガ

私の好きな哲学者は誰しもが口を揃えて言う。 落ち着けと。 世界は私が思っているより繊細で 人生は時に体温でさえ溶けてしまうほど儚く 人は誰しもが灰のように脆い 大切なものがあるのなら 大切な人がいるのなら 落ち着けと、私の好きな哲学者たちは口を揃…

茶色の目

光に弱い目は闇をよく見通す力がある

幻想

人間は誰しも幻想の中で生きている 国を拡げようと中国共産党があれこれ画策しているけれど、国だってそもそも概念 そんなものは存在しない 存在していることに人類が決めただけで、どこまでいっても幻想は幻想のまま 愛も家族もペットも黒板も、ありとあら…

朧月

陽射しが強くなってきた 昼間は少し俯いて歩かなければならない場面が増えた 冬の陽射しは私の瞳の表面で優しく溶けてくれるのに 春や夏の陽射しは網膜に突き刺さる 明るい季節は私に優しくない 夜も短くなってきた 眠れない日が多い私にとって朝日は最悪な…

セーレンキルケゴール

同情は相手の身に起きた事が自分にも起こり得ると確信してこそ価値がある、とキルケゴールは言った。 可哀想などと軽率に口から出てくるようでは同情ではなく相手を見世物扱いしているのだ。 可哀想という言葉がどうのという話ではなく、その心性、相手と自…