私の目に見えるもの

愛煙家のブログ

夜の神社に雨が降る

こんな鬱を経験するのは何年振りだろう? 寝てばかりで意欲が湧かず 窓の外は気が付いたら暗くなっている 疲れているのだと自覚するのは いつも倒れてから 4日間も寝てばかりになるほど疲労していたなんて 気付くのが遅すぎる 今日は10日ぶりにジョギングを…

「頑張ったね、頑張ってきたね」

7月に開いた店が終わる 去年から準備してきたものが灰塵に帰す そんな折、店のカフェスペースに3人来店した とある宗教団体の人たちで、手を当てて体の不調を取るのだそうだ 神経痛が痛む、と漏らしてしまったのが良くなかった 一人が私の腰に手をかざし始め…

散りぬべき

限界だと思うけれど、振り返ればそんなことばかり 頼みの綱が、支えてくれる存在がいてくれるだけでも救いがある 仄明るい いつも、仄明るい メガネを外した視界のように 水中で目を開いたように 目覚めた瞬間のように あまねく全てが輪郭を失って 自分と世…

目の移り変わり

嫌なことがあったから10年前から今日までの画像を眺めて現実逃避をしていた 喉の奥に張り付く熱を帯びたヘドロのようなものを、少しでもごまかしたかった 10年前から今日まで疲れていない日が幾度あっただろう? 不眠症の一日は長い 20歳の時には既に一生の…

バスケットコート

美しい夕焼け空だった 生い茂る木の葉の隙間から覗く 夏らしく彩度が高く 橙と紅の混じる濃い色合いをしていた この空の色 鮮やかな夕焼けの隅に深い紺が滲み始めている色味 この色には見覚えがある 小学四年生の頃だったように思う 団地の中にあるバスケッ…

ナメクジ

何か文字を書くのなら『正しく』『理路整然』としなければならないと思っていた 人に何かを伝えるのなら、論理を精緻に組み立てて、誤解の余地が一切ないものでなければならないと しかし、私が本当に書きたいのは論理ではなかった 私はこの血と肉が、骨と神…

デザフェス

デザフェスに初めて行ってみた 個人的に会いたい知人と、好きな服のブランドを見てきた 個人の世界観が駄々漏れになっているブースと「愛されたい」「見られたい」という感情が溢れているブースがない交ぜになり、あれはあれで異様な空間だ でも、明るい 明…

気のせいだと言い聞かせて

鉛を飲む 一秒生きれば、一粒の鉛が胃の底に溶けていく 少しずつ、少しずつ 昨日よりも少し重い背筋を伸ばし 昨日よりも少し浅い呼吸で 昨日よりも少し俯いて それでも昨日と同じだと言い聞かせて 僅かに、確かに重くなっている足を引きずり 暗く歪み、まど…

開く

傷口が開く感覚がした 本当に傷口が開いたのか それとも元々開いていたことに気付かされただけなのか どちらにせよ、粗い紙ヤスリで傷口を擦られた感覚がある 疲れた日には戻ってしまう あの頃に 結局は傷は傷のまま 治ることを知らないまま 治りかけると自…

いつもなら

久しぶりに日との心の中にある深淵に触れて、生きることはなんて苦しいものなのかと思わざるを得なかった。 たった4歳の子供が力の限りに荒れ狂う成人男性の暴力の前で、一体何ができたと言うのだろう。 「いつも笑って話せるくらいなのに」 そう言いながら…

シャボン玉の握り方

シャボン玉の握り方を知っている人はいない 握るのならシャボン玉は消えてしまう 繊細で儚くて、今にも壊れてしまいそうなものと触れ合う時がある そんな時、シャボン玉の握り方を考える 壊さないように、それでもしっかりと触れ合えるように そこにしか生ま…

歩けない

背中の痛み 浅い呼吸 突き刺すような耳鳴り 悲しい記憶 忘れてしまう大切な風景 大切なものほど手の平から零れ落ちる 掴むつもりのないものばかり残る 大人はなんて寂しい生き物なのだろう 飛び散った肉を見えないように虚飾しただけだ 剥き出しの骨を金だの…

バカがバカを重ねる行為

私は人目があまり気にならない 気にならなくなった 人生の中で迷いあぐねていた時、周りの人間からの言葉が助けになったことがほとんどなかった 私の悩みは自力で乗り越えるしかないのだと、何度も何度も骨の髄に叩き込まれるような経験が積み重なると、人目…

ここも東京なのにね

久しぶりに好きなラーメン屋へ行った バイクを走らせていると冷気が袖の隙間を切り裂くように撫でていく 穏やかでな外灯が柔らかいのか、不気味なのかよくわからない橙の灯りを道路に落としていた 本当に東京なのかと思うほど長閑で人気のない道 何年もこの…

喉の内を伝う涙

涙を流している人だけが泣いているわけではない 喉の内を伝う涙が、世の中にはある 15歳の頃だった ちょうど今のように息が白く、星が綺麗に見える時期 受験対策の講座が終わり、塾から自転車を漕いでいるところだった 春から高校に行く 環境が変わる 高校を…

息が白くなる部屋で

久しぶりに長期的な不調を味わっていて、昔のことを思い出すタイミングが増えた 息が白くなる部屋でうずくまり、このまま死ぬのか生きるのかを毎日選んでいた 生きるには金がかかる 仕事をしなければならない でも、社会不適合であらゆる組織に馴染めない自…

光陰

不安定なのは気候なのか自分なのか 二日前にタトゥーを増やした お経を腕に巻いて、少しでも穏やかになれますようにと祈りを込めた 少し不安定なのかもしれない また耳鳴りで音が鈍くしか聞こえない 早くしなければ 早く

満ちる

抱えた傷を癒さなければ潮の満ち引きのように、その傷口が現れては消えていく 傷が見えるたびに周りの人か自分が少しずつ壊れていく 癒されない傷は毒を吐き続ける 地獄の入り口はここにある

愛が溢れ

アイノカタチ、MISIAは良い歌を歌う 聞くのは好きでも歌ったり、共感は全くできない 友人の彼女は友人に向かって歌っていたけれど、あれが愛情の成せる業なのかと驚いた 私もあのように生きていけたのなら、今ごろ手の甲にタトゥーを入れるような人間になら…

絶え間なく

二十代後半からだったように思う 世の中があまりにもけたたましい場所に感じられるようになった 人の声も車の音も足音も宣伝もアナウンスも何もかもがやかましい 私は沈黙や間延びした空気が好きなのだ 本当に必要なこと、本当に大切なことは僅かしかない 大…

ため息は白く

久し振りにこんなに疲労している。 耳鳴りが背骨の隅々にまで響きそうな鋭い音を出している やりたい勉強も出来ず、時間ばかりが過ぎてしまう 私に与えられている時間は有限で 早く取り掛からなければ間に合わないのに、回復するのに時間が掛かってしまうの…

合わない街

全く社交的な人間ではないから会ってみたいと言われても食指は微動だにしない 私にはもう抱えきれないほど大切な人たちがいるのだから、これ以上大事にしたい人を増やしたいとは思わない 人に対する関心は今周りにいる人たちだけに向けられていて、交際範囲…

杖を突いて

28歳の頃だったと思う 私は1ヶ月ほど寝たきりになるほどの神経痛に襲われた 埃が舞う、体が芯から冷えていく部屋の中でこのままでは生きていけないと真剣に思っていた 幸い仕事は物書き 寝たままで文章が書けるように机とモニターを動かした 立ち上がるたび…

これからのこと

台風のせいか睡眠リズムが狂いに狂って朝帰り どうせ寝付けないなら遊んでいても良いのではないかという考え方になってしまった けれども、朝日を浴びるとやはり後悔の念に潰される 朝帰りであっても日が昇っていなければ耐えられるのだが、朝日を浴びると心…

割れたペットボトル

この家で一番長く私と一緒にいたペットボトルが割れて使い物にならなくなった 私はベッドの脇に2リットルのペットボトルを置いている 中には水が入っていてすぐ飲めるようにしてある 不眠症の私にとってこの水は生命線 寝付けなかったり中途覚醒をした時には…

眠れた日

不眠が一週間続いていよいよ心臓が耐えきれないかもしれないと思ったけれど、昔自分で作った薬膳茶のレシピに救われた 久しぶりに3時間の睡眠を2回もできて体が生き返った 不整脈は続いているけれど首の皮一枚生きていけそうな体調に戻った 急激な気候の変化…

耳を塞ぐ

怒涛の日々が明日で一段落する。 毎日こんなにもやるべき事に追われているのはいつぶりだろうか? 能力は十分に上げた あとはそれを形にするだけ それは理解している けれども、私は昔からゴールが見えるとそこで足が止まってしまう 結果がわかると興味が失…

向こうから来た

私は特殊な資格をいくつか持っており、母校がいくつかある。 その内の1つからメールが届いたので一斉送信のメルマガみたいな内容だと思っていたら、私個人に宛てて書かれたものだった。 創設35周年の式典をやるから卒業生代表で3分ほど話せということらしい…

Coccoと鬼束ちひろ

飛び魚のアーチを潜って 宝島に着いた頃 あなたのお姫様は誰かと 腰を振っているわ Coccoは鬼束ちひろとはまた違う陰影を感じさせる Coccoの方が見えている範囲が広い感じがするのと、体液の匂いが濃い 鬼束ちひろは半分人形のように生命力が薄い 蛍とか流星…

因果な仕事

普段はゴーストでも占い師として仕事をすることも多い こんな因果な仕事をしているとつくづく思う 人間の業は深い 伝える仕事なのに、私が普段しているのは「伝えないことを選ぶ」作業ばかり 聞かれてもいないことは答えない 相手の為になると思う時には伝え…