傷口が開く感覚がした
本当に傷口が開いたのか
それとも元々開いていたことに気付かされただけなのか
どちらにせよ、粗い紙ヤスリで傷口を擦られた感覚がある
疲れた日には戻ってしまう
あの頃に
結局は傷は傷のまま
治ることを知らないまま
治りかけると自分で開いているのだから当然
こういうものと付き合っていくのは苦しい
だから、芸術の世界で生きるしかない
世俗が嫌いなくせに世俗的な自分から目を逸らすには、何か美しいものを産まなければ耐えられない
及ばなくても良い
本当に美しいものがあるとわかればそれで
手を伸ばしても届かないと知っていたらと
後悔するくらいが良い