私の目に見えるもの

愛煙家のブログ

2019-01-01から1年間の記事一覧

思い入れ

例えば『美しい』という事と『美しく見える』という事の間には埋められない間隙がある。 しかし、世間では『実際にどうであるか?』よりも『どのように見えるか?』を気にしている人の方が多い。 例えば私が『私は男だ』と言わないのは、私が男であるという…

とあるシンポジウムに参加して

虚ろに成り行く内面に、 私の精神は金切り声を上げながら抵抗し、 それでもまだ生きようと模索する。 本人には自覚がないのだ。 こんな被害を受けたと涙ながらに語るその様から溢れ出る嬉々とした雰囲気に。 私は表向き不愉快だと態度で示しつつ、内心で非常…

星空に手を伸ばす

今日は普段しないような話を、普段なら話さないような相手にしてきた。 私は普段、相当な信頼を寄せている相手にしか自分について話さない。 とりわけ、自分の過去についてはめったに話さない。 私はいまだに私の過去を「私の記憶」として受け入れていない節…

書評3 元カレは皆、亡き者と思う。by雨宿り2日目。さん

枝豆とビール。 冬と雪。 涙と嗚咽。 こうしたものから受けるしっくりした感覚、おそらく多くの人が経験した事があるのではないでしょうか? 「そうそう、これこれ」と思わず言いたくなってしまう感じ。 先日、文学フリマなる催しに初めて行った時、私はまさ…

書評その2 「非売品」 K-RYOさん作

文学フリマにて購入した詩集「非売品」。 帰宅する途中の電車で読破いたしました。 個人的に大好きだったのはインスタント人間というポエム。 こういう最後にビンタされるような感じがする文章が大好物なので何度も何度も読み返してしまいましたね。 インス…

書評その1「風俗で働く透明人間の話。」

書評なんて大それたことは出来ないけれど、私なりの感想をここにまとめておきたい。 こういうものって、読んだ直後が一番良いものを書けたりするので。 タイトルの通りの漫画なのだけれど、その内容は哲学に近いものがある。 風俗で働く女性のお涙頂戴もので…

神来月

先月、出雲大社へ出掛けていた日本の神々は今月になると元の場所へ帰ってくる。 だから今月は神来月と呼ぶのだとか。 霜月の方が寂しさがあって個人的には好きなのだけれど。 私は自分の書く文章を文学、なんて偉そうな表現をしているけれど、その中身は結局…

バチバチと

自分と異なる何か、誰か そうしたものを受け入れようと無理をしている時 私の中でバチバチと音を立て、摩擦を起こす何かがある 切れた電線の端末から飛び散る火花のように バチバチと、何かが爆ぜる 私は変われないと分かっているのに 何かに迎合しようと必…

仄明るく見える

人を呪わば穴二つ。 一つは相手の墓穴であり、もう一方のものは自分が入る墓にするために必要だとされている。 人を呪わば穴二つ。 私は27歳程度まで人と世を呪いながら生きて来た。 私が抱える反吐の出るような過去を憎悪で蓋をするために必要だったのかも…

神無し月

十月はとても好きな季節なのだけれど嫌な思い出が凝縮されている月でもある。 十月は日本の神様がみんな出雲大社に集まってるらしいし、悪い事が起きても仕方ないのかな。 知識はこうして自分をごまかす鎮痛剤としてしか使った事がない。 でも、何か理由があ…

原色ばかりが許されるのは水野しずだけ

昨日、ようやく9連勤が終わり、こうして穏やかにブログを更新できる余裕が手に入った。 しかし、こうやって溢れるようにして言葉が出てくるというのは、精神的にはとても良い事なのだが身体的にはあまり良いとは言えない。 限界が近い時、私はこうして自分の…

That's Life

不幸のどん底に落とされた、というところで人生が終わってくれるのなら、きっと私は人生や人について今以上に好感が持てるように思う。 誠実に生きようとした人間がその篤実にもかかわらず塵芥よろしく零落していく姿というのは、きっと美しい。 その美しさ…

台風19号が過去を連れてくる

本当はキーボードで書きたいけれど、もうパソコンの電源を落としてしまったのでスマホから更新するしかない。 今日は、というか最近は妙に自分の言葉を書きたくなってこのブログを更新してしまう。 きっと、それだけ不安定なのだろう。 不安定ついでに昔の事…

フラジール

『誰も覚えていない事は、なかった事になるのだろうか?』

「今日が一生だね」

今、私が好んでみている海外のテレビ番組の登場人物は決まり文句としてこう言う。 「自分を愛せない人間は、他人も愛する事もできないでしょ?」 この言葉、私はこの年齢になるまで嫌になるほど耳にしてきた。 自己愛についてはおそらく乏しいタイプの私とし…

不眠症の終点

最近は台風が多く、そのせいで不眠症に拍車が掛かっている。 不眠が続くと死が近付いてきているのを実感する。 こうやって少しずつ死を意識する日が増えていき、ある日私の心臓が止まるのだろう。 心が弱ると嫌な事を思い出すもので、私が死を間近に感じてい…

眠れない日の徒然

今週のお題「○○の秋」 眠れない日はこうしてブログを書きながら、そのうち眠気がやって来ることを祈っている。 そして、こんな日は秋に多くなる。 私にとって秋は運動でも食欲でも読書でもなく、不眠の秋なのだ。 そもそも運動も読書も春夏秋冬取り組んでい…

ゲシュタルトの祈り

自然体で生きていくというのは本当に可能なのだろうか? 老子は『無為自然』という思想を推奨していた。 意識的に何か成すのではなく必要な事を、必要な時に、何のてらいもなく、ただ自然に行い生きる事。 動物のように素直で、自然で、嫌味のない生き方こそ…

深夜にありがちなポエジーテンション

ここ最近、気圧が乱高下してくれたお陰で見事に体調が悪化の一途を辿っている。 明日からしばらく連勤にもかかわらず、また不眠症も悪化して私の心臓が悲鳴を上げる。 20代後半に入ってから私はそこはかとない死を漠然と感じるようになった。 自殺にありがち…

アレクサンダー・ポープ

今日は武蔵野線で埼玉まで移動している。 いつもは都心へ行く事が多く、目的地に近づくほど人が多くなる。 しかし、埼玉へ向かう武蔵野線のように都心から離れていく路線は最初から人が少ない。 駅に止まって濁流のように人が車内に雪崩れ込む事もない。 た…

私は誰なのか?

またまたスマホからの更新になる。 今日は深夜の一時半に酔った恋人とその幼馴染みが我が家にやって来た。 それからさっきまであれやこれやと話していたのだけれど、幼馴染みは今日花火を男と見に行くのだとか。 私には異性に対してそこまで労力を払う事がよ…

死に対する意識

スマホからの更新なので短くなってしまうけれど、先日友人と話していると死に対する意識の話になった。 死について人は話すべからず、触れるべからずという雰囲気を出す。 けれど、死は死であって全ての恐怖が濃縮されたものではない。 死は死なのだ。 確か…

社会は存在するのか?

私は今、叫びたいくらいの喜びを押さえるのに必死になっている。 というのも、今日は絶対にこのブログを更新しようと思っていたからだ。 最近は本業の仕事が休みになっても副業に追われている事が多く、またいつもの休みのない日常へと足を踏み入れている事…

いくたびか筆をとれども……

いくたびか筆をとれども、胸塞がり涙さきだちて綴るにたえず、むなしく年を過ごして齢既に八十路を越えたり。 こんな文章から始まる八十歳を超えた翁の日記を読んだ。 この翁は陸軍大将という日本軍の頂点に立った会津藩の生き残りで、世界中から拍手喝采を…

狂人とは……

本日は批評なるものをしてみようかと思います。 対象はこちらの記事。 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190626-00288272-toyo-bus_all&p=3 日本人はなぜ「論理思考が壊滅的に苦手」なのか、という記事です。 記事の中に気になる文章がありました…

やはり徒労に終わる

私は幼馴染にすら「お前が考えている事は分からない」と言われてしまう人間だ。 そもそも私は自分の話をする事が得意ではないし、自分について理解して欲しいとも思わない。 人それぞれの世界観の中で、好き勝手に人物評を作り上げ、都合よく「相手にとって…

人生と景色が重なる

昨日から恋人の友人2人が泊まりに来ていたので、料理をしたり洗い物をしたりとなかなか忙しかったように思う。 しかし、パパっと美味しいものを作って出せるようになったあたり、自分の成長を感じて嬉しい思いがした。 昨日泊まりに来た2人はちょくちょく我…

昨日の事

昨日は二月に大阪でした講演を、横浜でやって来た。 緊張をしていたのだけれど、それが周りにはそれほど伝わらなかったようで一安心しているところ。 遠くから来てくれた人もいて、本当にありがたい話だ。 しかし、講演というのは本当に厄介なもので、人前で…

読書家なのに書評していない事実に気付いた

私は自分で文章を書くのが好きだ。 自分で文章を書く、と言うと「そんな事は当たり前じゃないか」と思われるかもしれないけれど、これは私にとって非常に重要な事。 自分の中から出てきた言葉を、自分のしたいような文脈で、自分の思いに即して書くのが「自…

悲喜劇

今日は講演の練習をした後に家事をやり、ただただのんびりと過ごしていた。 夕方頃から具合が悪くなったのは低気圧の影響があったからだろう。 低気圧の影響をとても受けやすい私としては、漠然とした体調不良によって振り回されるとまではいかない、水中に…