虚ろに成り行く内面に、
私の精神は金切り声を上げながら抵抗し、
それでもまだ生きようと模索する。
本人には自覚がないのだ。
こんな被害を受けたと涙ながらに語るその様から溢れ出る嬉々とした雰囲気に。
私は表向き不愉快だと態度で示しつつ、内心で非常に憐れんでいた。
その地獄に堕ちたのかと、そう思った。
そこから這い上がるのが回復の中で最も難儀なのだ。
地獄はいつでも口を開けている。
しかし、それだけで何もしない。
その口に飛び込むのは私たちであり、自分で堕ちておきながらあたかも誰かに落とされたかのように錯覚する。
人混みに揉まれている人はたくさんいるのに、自分が誰かを揉んでいるとは思わないのと同じだ。