この時間帯は聞きたい曲がたくさんあって。
今日は天野月子の「月」。
鬼束ちひろが地下にいるとしたら同じ建物の2階にいる雰囲気の人。
まだ生々しく脈打つ傷が血を流す痛みに耐えているのが天野月子。
鬼束ちひろは断末魔を歌にできる天才。
怖いことは続く。
私は運命を堅く信じているからこそ、こんな風にしてハマっていくパズルのピースのような出来事が怖い。
私はこれまで堕ちることばかりで、悪くなることには耐性があっても上がっていく耐性はない。
ただひたすら耐えて、心身を擲ってでも生に拘泥することが私にとって生きることだった。
幸福になりたいとか、満たされたいと思うより先に生きるために次は何を諦め、差し出せば良いのか考えていた。
私はそれで良いと思う。
それが私の人生で、何度占ってみても結果は変わらない。
私にとっての生は苦役なのだ。
私が信じるのは地蔵菩薩だけ。
地獄で苦しむ衆生を一人残らず救うまで、地獄の底を這いずってでも極楽へ行かないと誓った菩薩。
私が地獄にいることには意味があると思いたい。
高みから苦しむ人を憐れむ振りをしながら酒の肴にしている連中には地獄で泣き叫ぶ人を救うことなど決してできない。
救いたいのなら、救う本人も地獄へ堕ちなければならない。
だから、私はこの人生で良い。
運に見放され、人に馴染めず、ただただ静かに生きるこの人生で。
囁く声さえけたたましく響くような、この人生が私の幸福。
早く右手にも目を入れよう。
心の目は空蝉の汚濁を越えて、遠くの景色を見せてくれるから。