この前、占いの鑑定をしている時に何も考えず口から出た言葉が今もささくれのように気になっている
「所詮、この世の出来事だから、何もかもが」
こういう言葉が出てくる相手の場合、大体一度は自殺未遂をしている
その人はとても健康そうでよく笑い、カラオケも元気に歌っていた
だから、そんな人には決して見えなかったけれど占いでは人が隠しているものも明け透けに見えてしまう
話が進んでいくと、柔らかい雰囲気に悲壮感が滲む瞬間が何度もあった
節々に出てくる単語が、塗炭の苦しみの余韻を感じさせるものだった
あの人は何を経験し、何を思っている人なのだろう
どんな地獄を見てきたのだろう
それが気になって仕方がない
あの人は本当に生きている人だったのだろうか?
だとしたら、生きるのがどれほど辛いことか
悲しい言葉は笑顔に塗り潰されて、私はついぞ何も聞けないままでその人と別れてしまった