自分と異なる何か、誰か
そうしたものを受け入れようと無理をしている時
私の中でバチバチと音を立て、摩擦を起こす何かがある
切れた電線の端末から飛び散る火花のように バチバチと、何かが爆ぜる
私は変われないと分かっているのに 何かに迎合しようと必死になっている自分を嘲る私がそこにいる
幼い頃から消えないこの感覚は一体何なのだろう?
人も、世の中も、私も、何もかもが些末な虚構なのに
私はどこで生きるつもりなのだろう?
何に迎合するつもりなのだろう?
生きる場所も、迎合するものも全て存在などしないのに
私が生まれた時、ヘソの緒が首に巻き付き顔は紫だったそうだ
きっと私は生まれるその瞬間から世の中が、これから生きる場所が嫌いだった
ヘソの緒は首に巻き付いたのではなく、私はきっと自分から首を入れたのだ
紫の顔で生まれ、蘇生した時に私の中でバチバチと何かが弾け始めた
そして、その火花は時共に大きくなって私にサインを送り続ける
『生まれた時に死んでれば良かったんじゃない?』
このバチバチとした何かは、そんな風に私に訴える
私はきっとそうなのだろう、とうなずくしかない
私のような人間は生きる事に向いていないのだ
それでも生まれたからには生きるしかない 今のところは死ぬ予定もない
私は私が感じたものを形にする事で初めて精神が呼吸できる
そんな毎日を過ごせたら、私は本当に何も、何もいらない
そうした毎日が来ればきっとバチバチとしたこの音も聞こえなくなるのに
明日も私の中にはこの音が繰り返し響くに違いない
不愉快で悲しげで過去の全てを凝縮したこの音が、私の人生を表しているようにも思える