夜中にバイクを走らせるのは、どうしてこんなにも心が空くのだろう
広い道を独り占めしているからなのだろうか
木々の匂いが充満している今の時期だから心地好いのだろうか
私はやはりこの辺りを深夜に走るのが好きだ
人気がほとんどないからなのかもしれないし、安心して話をした後だからなのかもしれない
何にせよ、私のほの暗い精神に針の穴ほどの灯りが差し込んだようで心が空く
今月は色々と面倒なことが多かったからなのか、今はとても脱力していて
安心して話せる相手がいるというのはありがたいことだ
制服を着ている人たちを何人か見た
彼らは楽しそうでマスクの上からでも表情が明るいことが明白だった
私もいつかはきっとあんな風だったのだろう
表向きには明るくて、いつでも笑っていた時期があった
内心では早く死にたいとしか思っていなかったにもかかわらず、誰にも何も言えなかった時期
今でも薄くなったとは言え、その余韻が私の内側に虚しく響いている
優しくなれば生きていけるはずだと信じていた私は蒸発してしまった
強くなればいきていけるはずだと信じていた私は溶解してしまった
どう足掻いても生きていけないと嘆く私だけが取り残されて、時間だけが無為に過ぎていく
今日も私の目に映るものは悲しい
嘆息さえ、私にはもったいないもののように思えてしまう