私の目に見えるもの

愛煙家のブログ

水平線

back numberの水平線という曲がある

 

違和感があって何度も何度も聞いていた

 

何がこんなに引っ掛かるのか

 

何度も聞くうちに男側が女側の気持ちをわかったような口振りなのが引っ掛かるらしいと気づいた

 

有り体な被害妄想の鋳型を用意して「さあ、ここで自分を慰めなさい」と歓迎しているような

 

私が最も毛嫌いしている悪臭紛々とする偽善を感じる

 

理解がそんなに容易くできるのなら誰も懊悩の底に沈んだりはしない

 

悲しみはそんなに容易く形にならない

 

苦しみは劇的に訪れたりしない

 

理解される安堵は幻想なのだ

 

それでも理解されたいし、受け止めて欲しいのが人間で

 

あれやこれやと試行錯誤と悪戦苦闘を繰り返して、それでもわかることは砂粒程度のものなのだ

 

歓声と拍手の中に聞こえる叫び声が聞こえるらしいけれど、自分が歓声と拍手をして誰かの叫び声を聞き逃しているとは誰も思わない

 

人混みに揉まれる人は多いけれど自分が人混みとして誰かを押し潰していると思う人がいないのと同じだ

 

この世は人間の被害妄想と精神的な自慰行為で成り立っている

 

そこから抜け出すには振り向けば良いだけだとプラトンが2500年前に記したのに

 

神の秘密、秘密の教義はいつでも目の前にあると宗教や哲学が教えているのに

 

最近、私は風景の端がが少しずつ白んで溶けていくように見える

 

私だけが狂っているのか

 

世界がそもそも歪んでいるのか

 

そうした区別が私には難しくなってきた

 

そのうち昔のように自分の指先まで風景に溶けて見えるのではないか