気が付けば年末
年末の空気だけは本当に良いと思う
空気が緩んで夜は人気が消える
外を出歩く人がいないからなのか、車が走る音がしないからなのか
海の底に沈んだかのような静寂
こんな風に毎日が過ぎるなら私は世界をあと少しだけ好きになれる
あと少しだけ人に優しくなれる
それでも元旦を迎えると急に毎日が明るく、賑やかになって私が好きな時間は雲散霧消してしまう
静かに生きていたい
数少ない大切な人と必要なことだけ話して、やるべき僅かなことだけ丁寧にやり、あとは力を抜いていたい
眠る前の脱力感をいつでも感じられるくらい、人も空気も音も匂いも穏やかに受け止めながら
世界は思ったより残酷ではないと
人はもっと優しいものだと
私には生きる場所があるのだと
疑うことなく受け止めて呼吸ができればどんなにか良いだろう
私は日光アレルギーまで出るようになった
私は穏やかに生きたいと願っているのに
私の体はもう照らされることにさえ耐えられない
全身で世界を拒絶している