何もかもが飾り立てられ本当の姿を失ってしまった
KOKIAの歌の一節
本当は人も社会も世界そのものが淡く穏やかなはずなのに
どうしてなのか原色ばかりが視界に入る、禍々しいもののように演出されてしまう
穏やかに、静かにただそこに在ることが許されず
個性だの遣り甲斐だのと姦しい
人はただそこに在るだけで良いのに
ものはそこに在ることが美しいのに
在るべきところを離れ、在るはずもない人やものが、在るはずもない演出をされ、慰めにもならない束の間の熱狂に包まれる
今日殺された人の名前を三日後に覚えている人すらいないのに、そのような束の間の熱狂など明日にはなかったことにしかならない
世界はどこまでも虚構だ
開き直って虚構の中で戯れるのなら、それはそれで潔くて良い
けれども、誰もが現実だと信じて虚構を生きている
もちろん、私もその一人
気味が悪い、居心地が悪い、落ち着かない
求めているものさえフィクションならば、私は一体何を渇望しているのだろう?
私は一体誰なのだろう?