占いが好きなのは良し悪しが恐ろしいほど明確に出るから。
そして、良し悪しは生まれた時に決まる。
誰も運命になど逆らえず、理不尽にこの世に産み落とされ不条理な人生を歩まされる。
誰だって運に恵まれたいはず。
しかし、そうはならない。
持っているものが如何に良くても、それを活かせない人もいる。
みんな天国に行きたがるけれど、地獄にだって人はいる。
地獄の中にも人生がある。
天国から見下ろして憐れむより、私は地獄にいた方が良い。
見下ろす顔の一つ一つをいつか必ず踏み潰してやると思いながら、地獄を這いずる方が良い。
本当は平和で穏やかに、誰も傷付けずにいたい。
けれども、私の人生はそうではなかった。
闘争心がなくなれば待っているのは理不尽と不条理の嵐。
力がなければ何も守れない、誰も助けられない。
有難い御題目も吐き気のする人間愛も、理不尽に苦しめられる人を救った試しがない。
そうやって私は自己正当化を繰り返し、立ち上がれないほど疲弊したのに。
力を持っていても使わない方が立派だ。
それならば力などなくても同じことなのだと気付くまでに愚鈍な私は時間を不意にした。
努力は虚しく、希望は浅はかで、幸福は誤解。
それでも生きるなら。
それでも生きるのなら、悪足掻きだと分かっても努力するしかない。
ありもしない希望を求めて、手に入らない幸福に手を伸ばすしかない。
良い人間になるには、あと何が足りないのだろうか?
この燃えたぎる苦しみは明日も続くのか。