「何もかもが飾り立てられ
本当の姿を失ってしまった
私の住むこの世界は
このままじゃあまりにも悲しすぎる」
KOKIAの「本当の音」は何度聞いても良い
本来の姿、ありのままのものは実は淡くて儚い
それでは物語性もないし、見映えも悪い
だから、人目に付くもの、耳に響く音が強調される
気が付くと強調に強調を重ねて自然な姿は埋もれてしまう
中世貴族の服みたいにゴテゴテとしていて衣服の本来の機能が失われているのと同じ
それが実は文化などと呼ばれているものだったりする
本来、文化は目立たず地味で誰もが日常的に馴染んでいるのに意識されることがないもの
あまりにも当たり前なので敢えて認識することがないもの
おはようと言ったり、神社で手を合わせたり、電車では騒がしくしないのもそう
そういうささやかな、淡いもの
何もかもが飾り立てられた世の中の喧騒は鼓膜を突く嫌な音がする
紙やすりで頭を撫でられるような不快感がある
静かで穏やかな毎日は目の前にあるから、私は世間に特に何も求めない、求めたくない
だから、私のささやかで手の届く場所だけ守れたら良い