いつものように川沿いを走っていると、空はもう秋を迎え始めていることに気付いた
季節は空から地上へ染み込むようにしてやってくると知っている人はどのくらいいるのだろうか?
私はいつも同じ時間に、同じ場所を走る
日の長さも暑さも寒さも匂いも必ず季節を佇ませ、当たり前のようにしてそこに在る
いつもと同じ時間に走っているのに、空はもうしっかり暗くなっていて6月には眩しくて仕様がなかった道で、今日見た行き交う人たちは腕にライトを点けていた
これから日は瞬く間に短くなり、鬱蒼としている土手から植物が消える
風になびく木の葉はもう枯れる準備を内部で始めているのだろう
まだ枯れる様子さえ見えないけれど、空ではもう秋が始まっている
何となく寂しくなって今日は休憩で歩く時間が長くなってしまった
生温く肌を撫でる夏の風を感じるのはあと何日なのだろうか
きっと来週には空はもっと秋を濃く滲ませて私の心を締め付けるはず
この夏に失ったものの数々を思い出させるかのように
全てが枯れ果ててしまえば、どんなにか気持ちが空くか思い知らせるように
全てを失う人生だと知りながら、それでも何かを求め続ける私の愚かさを秋は炙り出していく