悲しい思いが続く毎日の中で私は嘆息さえ出なくなっている
原理はわかる、何が起きているのかも理解している
しかし、その渦中にいるとやはり冷静さが溶解するものなのだ
骨折を理解するのと実際に骨折することには非常に大きな感覚的な解離があるのと同じように
潰えた望み、瓦解した未来、大切なものほど私の手から零れ落ちて守ろうとしたものはいつの間にか灰塵になっている
振り返れば人生はずっとそうだった
強くなろうと思ったのは自分を守るため
それなのに私は背骨を折り、一生後遺症を抱える体になった
優しくなろうと思ったのは同じ傷を持つ人を守るため
それなのに私はもう二度と同じ傷を持つ人たちに関わろうと思えない
守ろうとしたものは壊れ、手に入れようとしたものから指の間から零れていく
この言い様のない悲しさ
少しずつ積み重なっていくやりきれなさ
いつまでも続く見慣れた生活
空虚感だけが燎原の火のように眼前に広がり、四肢から力が抜け落ちる
もう前を向く力さえ蒸発してしまった