私の目に見えるもの

愛煙家のブログ

在るだけ

いつから月の満ち欠けに左右される体になったのか

 

満月も新月も、どちらも辛い

 

感覚が鋭いのは良いことばかりではなくて

 

こうした微々たる変化さえも私を狂わせる要素になる

 

幸いなのは、触覚だけが妙に鈍いこと

 

武道を長くやっていたからなのか、私は体の感覚が鈍いらしいのだ

 

目が見えなくなると聴覚など他の感覚器官が冴え渡る

 

それと同じように触覚が妙に欠落しているせいで、私は形而上の感覚が鋭くなってしまったのかもしれない

 

何にせよ、私は今日も疲れ果てている

 

気候に振り回され、月の満ち欠けに引き摺られ、仕事の忙しさに押し潰されている

 

耳鳴りは両耳の鼓膜を串刺しにするように響く

 

腹の底に鉛を入れられたように体は重く、陰鬱な気持ちは私の心を夜より暗くする

 

私にとって生きるというのはやはり苦行でしかない

 

病んでるのではなく、私は元々そうなのだ

 

死にたいわけじゃない

 

生きたいわけでもない

 

ただ、ここに私が在るだけ

 

人として生きるには欲望が必要なのだ

 

その欲が、私にはない

 

ここに在るだけでは許されないから、私は人間らしくして世に溶け込もうとしている

 

それが窮屈で、窒息しそうでしない日々を作っている

 

狂えるのならきっと楽なのに

 

狂えるほど無邪気に絶望もできない

 

楽しめるほど生に期待もできない

 

私の目には今日も鈍色で、朧なものばかり見える

 

きっと明日もそうなのだろう