見えないものも
実は見える
見ようとすればの話だけれど
聞こえないものも、触れないものも同じ
見えない、聞こえない、触れないという思い込みがあるだけ
息だって夏は見えないけれど、冬になれば見えるように
本当は私たちの生活が
本当にたくさんのものに満たされている
産まれたその時から、こんなにも溢れるものに満たされているのに
私は何もないと、そう思い込んで
幾つも大切なものを手放してきた
本当は全てあるのに
何もないと思い込むその思考が
見える人を下衆に変え
聞こえるものを悲鳴に変え
触れるものをガラクタにした
全て自分の責任であるのにもかかわらず
全ての責任を転嫁して
満たされている自分の人生を足蹴にして
私が私を呪っていただけだった
それでも私は呪いたいのだ
形だけでも、本心でなくとも
私が私の人生を認めてしまったら
これまでの私が報われない
これからの私は救われないけれど