昔は気に入った文章や歌詞を何度も眺めては自分を慰めていた。
死ぬほどの空腹時に米粒を一粒食べているようなもので、私の精神はほとんど癒されなかったけれどないよりはマシだった。
結局、私が一番欲しいものは私が生むしかない。
とても簡単なことなのに、人に癒してもらおうと言う甘えた考えを捨てるまでに偉く時間が掛かってしまった。
私に文章を書く意欲があって良かった。
いつまでも筆力は上がらないけれど、私は文章を作るのが好きだ。
どこまでも続く深い穴の底に蝋燭を灯すような、凍える夜にマッチを擦るような、そんな文章を書いていきたい。