先月から風邪気味で結局本格的に治るまで一ヶ月以上も掛かってしまった。
仕事をして寝込んでを繰り返しているうちにもう年の瀬を迎えている。
誰とも会わない生活を続けていると、何とも言えず気持ちが落ち込んでいくものだ。
人は嫌いだから会えば疲れるだけなのに、隔離されたような生活になればそれはそれで精神衛生上良くない。
似たような気持ちになった事があるような気がして過去を振り返ってみると、ちょうど24歳から27歳に掛けてこんな気分になる事が多かったと思い出した。
毎週金曜日にドクターペッパーを買うのだけが楽しみだった時期だ。
金曜日は似たような友人たちと集まって夜な夜な遊んでいたし、朝まで話している事も少なくなかった。
習い事は全て辞めて、自分だけの世界を小説にしようと奔走していた頃は誰にも会いたくなかった。
生きるために最低限必要な金額だけ稼ぎ、後は小説を書いたり、血眼になって勉強をしていた。
仄暗い風景がいつでも見えていて完全な絶望は見つからないけれど、ため息を吐きたくなるようなものばかりが視界に入って来ていたように思う。
散歩をしていても誰かと話していても、話していなくても、人生なんてものは碌なものではないという気持ちが私の中には根強くあったのだ。
もちろん、今でもそのような気持ちは変わらないのだけれど、以前よりも悲壮感が薄れたように思う。
私は今、ただ人生を眺めているような気にさえなる。
絶望的で救いのない事ばかりが起きるのを、ただただ見ているだけ。
ずいぶんと前から私は抜け殻のようになっているのかもしれない。
表向きにはやるべき事に追われているし、知識も技術も上がっているのだから抜け殻のようには見えないのだろう。
それでも私は今、抜け殻になっている。
何かを頑張ろうとか、明るい未来に向かって、という気分にはなれない。
そもそもそんな未来が見えていた時期など私にはない。
特に落ち込んでいるわけではないのだけれど、私の見えている世界を外に出すとそれだけで風景が暗くなる、人の表情も陰ってしまう。
ここまで文章で自分の気持ちを表現するのが下手になるとは思っていなかった。
やはり小説は書いておかなければいけない、自分をしっかりと表現するために。
とにかく、今は元気なのだけれど抜け殻として元気という事なのだ。