私の目に見えるもの

愛煙家のブログ

一つ積んでは

本来、人間は何も得られない

 

故に失うこともない

 

行く川の流れは絶えずして、しかも元の水に非ず

 

今、私の目の前にあるあらゆるものが偶さか私の前に流れ着いただけ

 

長い尺で見れば私が所有しているのではなく、ただ流れているだけ

 

それを一時的に私のものなのだと、そう思い込むだけ

 

それなのに私は失ったつもりでいる

 

私などどこにもいないにも関わらず、私は傷付いたと妄想し自己を慰めようと必死になっている

 

こんな人生には耐えられないと叫びたくなっている

 

私の人生などないとわかっているのに

 

嘆息は絶えず、古傷だったはずの場所から血がまた流れる

 

鈍痛は鋭くなり、腹に鉛が詰められたかのように重い

 

私は33歳という年齢になって尚「普通」や「当たり前」を渇望しているのか

 

手に入らないとあれだけ思い知らされたものにまた手を伸ばし、手に入らないと一人絶望に暮れている

 

まだ何とかできないのかと悪足掻きをしている

 

どれほど考えても妙案など出てくるはずがない

 

死んだものを蘇らせるのが不可能なように

 

壊れたものは戻らない

 

私は幼かった頃に命を捨ててでも手に入れたかった平穏を、静かな日々を手にするつもりだった

 

そんなことはできないと何度も自殺未遂をして学んだはずなのに

 

私の人生はそのようにできていない

 

私はそのように生きていない

 

賽の河原で石を積むのはきっとこんな気持ちなのだろう