映画は本当に好きだから、何度も見た映画がたくさんある。
結局、思い付いた好きな映画の紹介になってしまうのだけれど、その前に最近は体調を崩す事が多くなった。
今も酷い風邪を引いていて、熱が高いし喉も痛い。
そんな時、何となく見る事の出来る映画が嬉しいものだ。
アクションやミステリーは元気がある時に、思い切り感情移入して見るから楽しいのであって、体調が悪い時に距離を置いて見てしまうと本当につまらない。
大好きなアクション俳優ジェイソン・ステイサムが単なるハゲにしか見えなかった時、熱がある時にはアクション映画を見ても楽しめない事を痛感した。
彼の名誉のために書いておくけれど、ステイサムは単なるハゲなどではない。
彼は動けるハゲであり、戦うハゲであり、スタントマンを使わないハゲなのだ。
つまりハゲなのだ。
そんな最近、よく見てしまう映画は「まほろ駅前多田便利軒」という映画。
邦画はあまり見なかったのだけれど、最近は何となく字幕を追う事にも疲れてしまい、邦画を見る機会が多い。
今、邦画を見る方が多い、と爆笑ギャグを飛ばそうかと思ったけれど、これ以上ファンが増えても困るのでやめておいた。
まほろ駅前多田便利軒は場末の街で便利屋を営む2人の話で、元々は小説なのだそうだ。
気が抜けた、それでいて鋭いトラウマの痛みが眠る空気。
何となく育った町に似ている雰囲気があって、すごく良いなと思ったらそれもそのはず。
なんと舞台になっている架空の街まほろ市は、私が生まれ育った町田市をモデルにしているらしいのだ。
育った町に雰囲気が似ていない方がおかしかった。
そんな奇妙な繋がりもあって、まほろ駅前多田便利軒は何度も見てしまう。
自己陶酔が行き過ぎている自覚はあるけれど、行天という登場人物がどうしても自分に被るのだ。
雰囲気といい、話し方といい、顔が男前でないところを除けば一致する部分が多いような気がする。
行天はニートを楽しめるらしいけれど、私にはそれが出来ないところも異なっている。
違いはその程度で、あのうだつの上がらない町の空気に馴染み、厭世的なのか楽天的なのか良く分からないあの雰囲気が、どうしても憎めないのである。
さて、まだまだ書きたい事はあるけれど、熱が上がって来たので寝る。